会社設立オンライン相談

ASHITA Tax and Accounting Office

お金の世界と会計の世界

約3分

東京都台東区の上野・御徒町で会計事務所をしております、白根悠皓(しらねゆうや)です。

会計事務所の仕事をしていて、一番伝えるのが難しく、また重要と感じることが、「お金の世界と会計の世界は異なっている」ということです。

【お金の世界】事業においては、お金=資金が一番大切です

なぜ、お金(資金)が一番大切かというと、それはお金がなくなってしまったらゲームオーバーになってしまうから。

会社であれば倒産、個人であれば破産になってしまいます。ですから、まずはお金の重要性を理解しましょう。お金がなぜ重要かを知りましょう。

お金は事業における4大経営資源(人、モノ、お金、情報)の1つです。お金は事業における「血液」です。また、お金の世界はとても単純です。お金と言われているのは、現金・預金のことです。

常に現金残高や預金残高の動きをチェックするようにしましょう。

<お金の世界>
収入(入ってきたお金) - 支出(出て行ったお金
)
=収支(増えたお金もしくは減ったお金)

目安にはなりますが、月商の3か月分とか、必要運転資金※の3か月分を現金として用意できているとよいとか言われています。

ただ、お金は手元にたくさんあった方がよいことには間違いないので、この目安以上の現預金を手元におくことを目指しましょう。

※運転資金とは、事業を続けるために必要なお金(資金)のこと。次のような計算式です。運転資金=売上債権(現金化できていない売上)+棚卸資産(手元にある商品)-買入債務(仕入等の未払い分)

【会計の世界】

会計の世界は、お金の世界とは全く異なる概念になります。

<会計の世界>
収益(得たもの)- 費用(得るのにかかったもの)

= 利益または損益

「お金の世界」と「会計の世界」は違うのです!

この利益(損益)は現金・預金の動きとイコールにはなりません。お金の動きと会計の動きがズレるのです。ズレるパターンにはいろいろあります。

【お金 の 動き と 会計( 損益) の 動き が 異なる パターン 一例】

  1. 損益が先に出てからお金が出入りするパターン(例クレジットカードによる売上)
  2. お金が先に出入りしてから損益が出るパターン(例着手金の受け取り)
  3. お金の出入りはないけれど損益が出るパターン(例減価償却費)
  4. 損益が出ないけれどお金の出入りがあるパターン(例借入金の元本返済)

【資金繰りが難しい理由】

資金繰りとは、お金の入り(収入)と出(支出)を予測して、将来のお金の過不足に備えて対策をすることを言います。

会社経営をしていると、資金繰りがうまくいかなくなることがあります。それは、普段見ている数字が利益(会計の世界の数字)だからです。

会計の世界の利益は出ているのに、手持ちの現金・預金は底をついているということもあり得るのです。

黒字倒産という言葉をご存知でしょうか。黒字倒産とは、会計の世界では利益が出ているのに、手持ちの現金・預金が足りず、人件費や経費、借入金の返済ができずに倒産してしまうことです。 

会計の世界とお金の世界とでは、見ている数字が異なります。会計の数字(利益)とお金の世界の数字(収支)、両方の数字を意識しておくことが非常に重要です。

この記事を書いた人

白根 悠皓
しらねゆうや/神奈川県小田原市出身。東京都台東区の上野・御徒町で育つ。東京大学工学部 都市工学科 都市計画コース卒業。卒業後は東京海上火災保険にて、企業保険の営業と企業商品開発部門での業務に従事。その後、KPMGグループの監査部門、あずさ監査法人にて上場企業の監査や株式公開支援、内部統制構築アドバイスなどを実施。

あしたの会計事務所立ち上げ後、上場企業や成功している企業のノウハウを中小企業に役立てることを使命として、幅広い顧客を対象に業務指導等を行うと同時に、クラウド会計ソフトをはじめとしたITツールの導入等を通じて、個人事業主や小規模企業の決算業務効率化に注力している。

『公認会計士・税理士・経営支援責任者・売上UPコンサル税理士』 会計・税務・財務・コンサル・コーチングのスキル/信頼できる専門家たちとの人脈を使って、夢や志の実現を目指している多くの人に気づきと安心を届け、みんなが自分の得意なことをやりながら、感謝でつながりあう世界を作りたい。

Comment On Facebook