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ASHITA Tax and Accounting Office

青色申告承認申請書を提出する

約5分

東京都台東区の上野・御徒町で会計事務所をしております、白根悠皓(しらねゆうや)です。
開業をしたら、確定申告(決算・申告)を行うことになります。
確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2種類がありますので、それぞれのメリットとデメリットをお伝えします。

【青色申告】

メリット

最高65万円の特別控除が受けられる

この特別控除は、不動産所得または事業所得の金額から差し引くことができ、税金が安くなるというものです。青色申告承認申請書を出せば10万円、下記の要件を満たせば55万円、さらに電子申告というものをすればプラス10万円になって、65万円の控除が受けられます。

<55万円の要件>

  1. 現金主義を採用していないこと
  2. 不動産所得が事業規模であること、または、事業所得であること
  3. 複式簿記で記帳していること
  4. 貸借対照表と損益計算書を添付すること
  5. 期限内に申告をすること

赤字を3年間繰り越せる

決算で赤字が出た場合、3年間繰り越すことができます。たとえば、1年目に300万円の赤字が出てしまったような場合、2年目に100万円の黒字、3年目に100万円の黒字、4年目に100万円の黒字が出たとしても、2年目~4年目の所得をゼロとすることができます。

家族への給与を経費にできる

事業的規模の所得において、専従者(自分の事業にもっぱら従事してくれる家族)への給料を、妥当な金額であれば全額経費にすることができます。ただし、別途届出が必要です。白色申告の場合、家族への給与として税金の計算の際に差し引けるのは、配偶者86万円、その他の親族は50万円と決められています。

30万円未満の固定資産を1年に全額経費にできる

少額減価償却資産の特例といって、30万円未満のものであれば全額経費にすることができるようになります。

デメリット

期限内に青色申告承認申請書を提出する必要がある

青色申告をするためには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。年度の途中で開業した場合は、開業から2ヶ月以内に提出する必要があります。

複式簿記による帳簿作成と電子申告が必要になる

青色申告で最高の65万円の特別控除を受けるためには、複式簿記で帳簿をつけたうえで、e-Taxというシステムで電子申告をする、または、電子帳簿保存をする必要があります。単式簿記による帳簿の場合、控除額は10万円になります。

税務署の目が厳しくなる可能性がある

青色申告は、確定申告をしっかりやることを条件に、税務上の特典を受けるという制度になります。白色申告と比較すると、税務調査等を受ける可能性が高くなるかもしれません。

【白色申告】

メリット

記帳や申告手続きが簡単

帳簿づけは義務付けられていますが、単式簿記ですみます。確定申告も収支内訳書や売上や経費を記入するだけになります。

デメリット

特別控除など税務上の特典がない

赤字を繰り越せない

白色申告では、赤字を繰り越せません。今年大きな赤字が出たとしても、翌年利益が出たらその分について税金を支払う必要があります。

白色申告でも、帳簿づけと書類の保存が義務付けられています。複式簿記で帳簿をつけるのが難しい場合であっても、青色申告にすれば10万円の特別控除を受けることができますので、開業届とともに、青色申告承認申請書を提出することをお勧めします。

【提出期限】

青色申告のデメリットの部分でもお伝えしましたが、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。年度の途中で開業した場合は、開業から2ヶ月以内に提出する必要があります。

【入手先】

青色申告承認申請書は、税務署の窓口か国税庁のホームページで入手できます。

国税庁[手続名]所得税の青色申告承認申請手続>>

こちらに「所得税の青色申告承認申請書」があります。ダウンロードして印刷して記入してください。記入する内容は、納税地(住所)・氏名・生年月日・職業・屋号・開業日等です。

【提出方法】

届出書類を作成して、あなたのお住まいを所轄する税務署に持参するか、郵送で提出します。

税務署の所在地検索はこちら>>

「所得税の青色申告承認申請書」には、提出用、控用はありませんが、必ず2枚印刷して、2枚とも記入して提出してください。

郵送の場合は、返信用の封筒を準備して、返信先の住所(あなたの住所)と名前を書いて、切手を貼って書類に同封してください。後日「所得税の青色申告承認申請書」(控用)に税務署受付印が押されたものが返送されてきます。大切に保管してください。

開業届と一緒に提出できますので、郵送の場合は、開業届を同封して送りましょう。

次回は、事業用の銀行口座について説明します。

この記事を書いた人

白根 悠皓
しらねゆうや/神奈川県小田原市出身。東京都台東区の上野・御徒町で育つ。東京大学工学部 都市工学科 都市計画コース卒業。卒業後は東京海上火災保険にて、企業保険の営業と企業商品開発部門での業務に従事。その後、KPMGグループの監査部門、あずさ監査法人にて上場企業の監査や株式公開支援、内部統制構築アドバイスなどを実施。

あしたの会計事務所立ち上げ後、上場企業や成功している企業のノウハウを中小企業に役立てることを使命として、幅広い顧客を対象に業務指導等を行うと同時に、クラウド会計ソフトをはじめとしたITツールの導入等を通じて、個人事業主や小規模企業の決算業務効率化に注力している。

『公認会計士・税理士・経営支援責任者・売上UPコンサル税理士』 会計・税務・財務・コンサル・コーチングのスキル/信頼できる専門家たちとの人脈を使って、夢や志の実現を目指している多くの人に気づきと安心を届け、みんなが自分の得意なことをやりながら、感謝でつながりあう世界を作りたい。

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