東京都台東区の上野・御徒町で会計事務所をしております、白根悠皓(しらねゆうや)です。
起業にあたっては、決めることや提出するものなどがあります。
起業当初にやることをまとめます。
開業届を提出する
実際に事業を行うにあたって、個人(個人事業主)として起業する場合は、個人事業の開業届(「個人事業の開業・廃業等届出書」)を自宅の最寄りの税務署(所轄税務署)に提出します。
この届出自体は提出しなくても罰則等はありませんが、あとで説明をする「青色申告」で確定申告をするためには、この開業届と「青色申告承認申請書」の提出が必要になります。
【開業届が必要な人】
新たに事業所得、不動産所得、または、山林所得が生じる事業を始めた方が対象となります。たとえば、デザイナー、写真家、美容師、医師、税理士、弁護士、占い師、個人でコンサルティング業を始めたとか、マンションの賃貸を始めたなども開業届が必要な事業者になります。
開業届がいらない例としては、不要な生活用品を売るといったもの。一時的な取引は事業にはあたりません。また、サラリーマンが副業で収入を得ているといった場合は、必ずしも開業届を提出する必要はありません。ただし、もうけが20万円を超えた場合は必ず確定申告をしてください。
【提出時期】
開業届は、開業があってから原則1ヶ月以内(土日祝にあたる場合は次の日)に提出することが定められています。開業届の提出には、事業から生じる収入の有無や所得額の決まりがありません。たとえ収入がゼロだったり、赤字だったとしても、事業を開始したのであれば、開業届をすみやかに提出するとよいでしょう。
【開業届を提出するメリット】
事業は開始したものの、経費がかさみ利益がゼロあるいは赤字になることもあります。赤字であったとしても開業届を提出するメリットは4つあります。
1.開業していることの公的証明になる
法人(会社)であれば登記をするので、登記簿謄本が事業を行っている証明となりますが、個人事業主の場合は、登記はありません。開業届を税務署に提出することで、事業を行っていることの公的な証明になります。
2.屋号での銀行口座開設が可能になる
開業届を提出することで、個人名義の銀行口座とは別に屋号で銀行口座を開設できます。個人用と事業用で分けることができるので、管理がしやすくなります。そして、個人名の口座への振り込みよりも信頼度がアップします。
3.金融機関からの融資など資金調達面でメリットがある
開業届を提出することで、金融機関からの融資を受けやすくなる可能性があります。
4.補助金・助成金などの申請に開業届の提出が必要になることがある
補助金や助成金を申請する際に、「確かに開業している」という証明のために開業届の提出が必要になる場合があります。
開業届は個人事業主にとって事業を行っていることを示す身分証明書のようなものになります。税務署の受領印が押された控えを必ず保管するようにしましょう。
【入手先】
開業届は、税務署の窓口か国税庁のホームページで入手できます。
こちらに「個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)があります。ダウンロードして印刷して記入してください。記入する内容は、住所・氏名・屋号・職業・届出の区分(新設か廃業か)・所得の種類・開業日・事業の概要などです。
【提出方法】
届出書類を作成して、あなたのお住まいを所轄する税務署に持参するか、郵送で提出します。
※「個人事業の開業・廃業等提出書」は提出用、控用の2部ともに記載して提出するようにしてください。郵送の場合は、返信用の封筒を準備して、返信先の住所(あなたの住所)と名前を書いて、切手を貼って書類に同封してください。後日「個人事業の開業・廃業等提出書」(控用)に税務署受付印が押されたものが返送されてきます。大切に保管してください。
次回は青色申告承認申請書についてです。
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