起業するにあたって、
まず整えていきたいのが「こころ」
起業するにあたって、まず整えていきたいのが「こころ」だと思っています。
その理由は、私の失敗経験からきています。今でこそ、会計事務所を立ち上げ、仕事にもプライベートにも充実感などを感じることができるようになりましたが、最初からこうだったわけではありません。ここで少し、私の話をさせていただきます。
私は、大学は理系を専攻しました。しかし、就職活動の時は何も考えていませんでした。やりたいことができるからこの会社に勤めようという視点はほぼゼロに近く、会社のブランドイメージと給料だけを見て、某大手保険会社に就職したのです。
仕事を始めたころはバブルがはじけた後だったのですが、仕事をしていく中で、取引先の人がどんどんリストラされて行くのを目の当たりにしたのです。
生きていくために、なにか武器をもちたい
- もしも自分がリストラされたらどうなるのだろうか。
- 今は、会社の看板と名刺があれば、困らずに仕事ができるけれど、もしも会社をやめたらどうなるのだろうか。
- 特にとびぬけて何かができるわけではない自分を誰が認めてくれるのだろうか。
そう思いました。経歴はよさそうだけれど、個人になったら何もない・・・。目の前が真っ暗になったような気がしました。そして、「生きていくために、なにか武器をもちたい」と思ったのです。「自分が得意なことってなんだろう。会社の看板がなくてもできることってなんだろう。」それまで、流されるようになんとなく生きてきたことに気がついたのです。「自分にはこれがある」と思えるような資格を取ろうと思いました。
「医者がいい?弁護士かな?会計士かな?」と考えて、数字が好きだから会計士になろうと決めたのです。会計士になるには、最低3000時間は勉強しなければならないと聞いたことがありました。「3000時間か。会社に勤めたままでは、ムリだな。」そう思い、2年間働かなくても食べていけるだけの資金を貯めて、会社を退職。当時は、結婚していて、子どももいて、住宅ローンもありました。2年分の資金があるとはいえ、思わぬ出費があったりして「この先お金は足りるのか?本当に大丈夫なのか?」と心細く思いながら会計士の勉強を続けました。
退職して1年半が経ち、会計士の資格が取れました。そして監査法人に就職。今までとは違う世界。新しいことが多く、学びが多かったです。しかし、私はここでも、自分が何をしたいのかを見失ったままだったのです。次第に監査の仕事に情熱を失っていきました。そして友だちに誘われて、監査法人を辞め、3人で起業。
会社を起こしたのは、東日本大震災直後のこと。友だちの一人が福島県の出身でした。地元を復興させたい、日本を元気にしよう。そう誓って、起こした会社でしたが、友だちと意見があわず2年ほどで退職。退職後に会計事務所を立ち上げて、今に至っています。
就職にも転職にも、共同出資して起業した会社でも失敗して、気がついたことがあります。それは、「自分が何をしたいのか?自分は他の人に何ができるのか?」を明確にしてから人生を決めた方がいいということ。
人生はボルダリングみたいなもの
ある人から「人生はボルダリングみたいなものだよ」と言われたことがあります。人生には目指すべき頂上のようなものがあり、そこに至るための壁が用意されていて、いろいろなことを経験し、自らを鍛え、技を学び、目の前の課題を攻略しながら頂上を目指して登っていくのです。
私の場合は、「自分らしく生きたいと考えている多くの人に気づきと安心を届け、みんなが得意なことをやりながら、感謝でつながりあう世界の実現の一助となる」という使命がある時現れ、会計事務所の仕事を通じて、中小・零細企業や個人事業主の方をサポートしていますが、毎日目の前に出てくる課題にチャレンジ、クリアしながら、少しずつ壁を登っているような気がしています。
こころを整えることで、人生の軸が整ってきます。まずは、こころを整えることからだと実感しています。
次回からは「こころ」を焦点として、私が大事だなと気づいたことなどをお伝えします。
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